さんのクラスメートは
一人の幼なじみのいじめっ子・T君は、彼のお母さんがわたしの母と女学校でクラスメートで、
さらに、同じバス路線を利用し、いつもいっしょに帰っていたこともあり、親しい雰囲気だった。
ただし、それは、幼稚園の時。
小学校に入ると、彼は、いじめっ子に変身した。
中年になった彼は、ある日、同窓会で逢った時に、こう言っていた。
「スローさんは、親が決めた僕の許婚(いいなづけ)で、結婚しないといけないって思っててん。
それでか、なんでか、わからないけど、イジメてたんかも知れない」
鳩に豆鉄砲。
はぁ?と、目を真ん丸くしたまんま、わたしは固まってしまった。
あまりにも、ありえない発想で意外すぎて、コメントのしようがなかった。
今となれば、笑える話だ。
彼は、小学校高学年になって、ぴたっと、わたしをいじめなくなって、やれやれだったが、
代わりに、別の男子F君が、毎日、いじめるようになった。
毎日、毎日、卒業する日をわたしは指折り数えた。(中学も同じだけど)
まあ、彼には、その後に、仕事で新規クライアント開拓の時、お世話になったので、まあ、許してやろう。
中学になってからは、さほど、いじめられることはなかったが、
人気の美人クラスメートが男子達にチヤホヤされ、
わたしは、その他大勢の外野として冷遇され(多少の被害妄想感あり、は否めない)、
ヒネてスネることは、あったかも知れない。
高校では、クラスの男子や、同学年の男子とは、ほとんど話さなかったように思う。
いじめられることもない代わりに、わたしという生徒がいたことも、さほど皆の記憶にもないことだろう。
志望高校に進むのが精一杯で、
以後、成績のぱっとしない、勉強嫌いのわたしにとって、拗ねている時代、暗黒の時代かも知れない。
今、思い出してみると、
いじめられるといっても、べつにケンカをするでもなし、大きな暴力を振るわれるわけでもない。
ただ、鬱陶しいだけである。
爽やかに、力のある独裁者に対抗する、正義の味方みたいなヒーローとは、程遠いが、
優秀で真面目、お利巧、いつも先生に可愛がられるのを、
遠巻きで、拗ねて見ていたように思う。
嫌な子供だ~。
しかし、
お金持ちの子供が優遇されることは決してなく、PTAの会長の子供が一目置かれるわけでもなく、
スポーツや、五教科以外の科目で活躍しても、五教科が良くないと、
たいして注目も集めず、
ただただ、本人の成績が良い、優秀な子が、素晴らしいとされていたように思う。
お金持ちや権力者の子供でも、デキが悪いと、それまで。
ある意味、背景は関係なく、本人だけの実力主義で、気持ちいいかも知れない。
親のせいにできない。
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